妊活中のアルコール、摂取していいのか、どのくらいの摂取ならいいのか気になりますよね。
妊活中、不妊治療中のアルコール摂取について、調べた結果と私的見解を書いていきたいと思います。
目次
研究結果を見てみよう
どんな研究か
ART(生殖補助医療)を受けているカップルを対象にして、精液検査を受けている男性323名に対して、アルコール摂取量と精液検査結果の関係を調べました。
過去一年間の週あたりのアルコール摂取頻度と一回あたりの摂取量を回答してもらい、週あたりの摂取アルコール単位を算出しました。
これはイタリアのミラノの不妊治療クリニックが実施した実験だそうです。
結果はどうだったか
週あたりの飲酒量で4つのグループに分けることができました。
- 飲まないグループ:31名(9.6%)
- 少し飲むグループ:97名(30%)
- 中くらい飲むグループ:98名(30.3%)
- 多く飲むグループ:97名(30%)
各グループの人数、カッコの中は全体の人数に対する割合です。
このグループにおける、精液量、精子濃度、総精子量についての結果が次の表になります。
グループ | 精液量 | 精子濃度 | 総精子量 |
①飲まない | 1.8mL | 4200万/mL | 5150万 |
②少し飲む | 2.4mL | 2450万/mL | 8400万 |
③中くらい飲む | 3mL | 3100万/mL | 8790万 |
④多く飲む | 2.6mL | 3900万/mL | 8400万 |
値はそのグループの中央値を記載しています。
太い赤字にしたところがトップの数字です。
中くらい飲むのグループが一番いい精液検査結果を得ていることがわかります。
ちなみに、「中くらい飲むグループ」の飲酒量はエチルアルコール119.75gに相当するもので、ビールでいうと500mLの缶が約6本分に相当します。
この数字は週あたりの摂取量なので、毎日500mL缶1本で、週1回お休みがあるような飲酒ペースの人ということになります。
この結果から、全くお酒を飲まないということが良いわけではなく、適度な飲酒が良い影響を及ぼしている可能性があるということが示されました。
これまでの研究はどうだったか
アルコール摂取量と精液検査の関係についての研究はこれまでも、たくさんなされています。
それらの結果は、アルコールは精液に対してマイナス影響を及ぼすという結果もあれば、マイナスとはならないという結果もあり、はっきりしていないというのが現状です。
飲酒量の基準というのは国ごとに違っていたり、アルコールに対する耐性も人種によって違うために、単純比較が難しく、その影響についてはっきりとした研究結果が出ないのかも知れません。
ある研究では、毎日の飲酒は精液検査結果にネガティブな相関を示すが、たまに飲酒することは関連しないという報告があります。
またある研究では、アルコール摂取とART治療成績との関係を調べており、アルコール摂取量が多いカップルほど着床率、妊娠率、出産率が高いという結果が得られたそうです。
このように、大量にアルコールを摂取することはもちろん悪影響と思われますが、適量のお酒を定期的に飲む程度であればむしろ良い影響を及ぼすという研究結果も多数あるようです。
私の体験からの見解
精液検査の前日に飲酒
先日、2020年1月11日に、不妊治療のクリニックを転院して精液検査を受けてきました。
クリニック内の小部屋で精液を採取して、検査に出すというものでした。
以下の記事で詳しくレポートしております。興味のある方はどうぞ。
この日の前日は、ハイボールを一杯ほど飲んで臨みました。
特に故意ではなく、いつも通り軽くお酒を飲んでいつもどおりの状態で臨もうということでそうしました。
妻には「ダメなんじゃないの」と言われましたが、いつもどおりの姿で精液検査を受けたほうがいいだろうと思い、前日は飲酒をしましたし、その前の一週間も特に節制などはせず、通常通りの飲酒量でお正月もあったので多少多めだったかも知れません。
私の飲酒量は多すぎず、少なすぎずだと思います。
精液検査の結果
さて、結果です。
これがもらった結果の写真です。
見やすくしました。
私の精液検査結果
精液量: 1.7 mL
精子数: 92×106 /mL
運動率: 62 %
奇形率: 18 %
合格レベルの基準
精液量: (2 ~ 5) mL
精子数: (50×106 ↑) /mL
運動率: (50↑) %
奇形率: (20↓) %
先生からはすべての項目で○のA評価をいただきました。
さらに、直線速度、曲線速度のデータを頂きました。
左のグラフの説明をしてもらいました。
精子の直線速度の速さを4段階に分けて、その比率を棒グラフにしたものです。
左の棒が高いほど、直線速度の早い精子が多いということになり、良い精液ということになります。
私の結果はここの比率が少なく物足りないとのことでした。
この直進性の高い精子は上の図の赤い精子に該当します。
この赤い精子が多いほど、卵子に届く確率が上がるというわけです。
先生の最終評価はAを5段階に分けてA5を最高とした場合のA2ということで、なかなかの高評価をいただきました。
これはたまのSEXで妊娠できておかしくないレベルとのことでした。
以上のように、よく飲酒をしている私の精子の結果は高評価でした。
妊活とアルコールの私的見解
私的見解としては、飲酒はOKだと思います。
研究結果でも有意な悪影響というのは見えないですし、むしろ良い影響を与えると取ることもできます。
飲み過ぎは、妊活以前にダメだと思うので、個人個人にあった適量を楽しむ分には、妊活にも、精子にも好影響を与えるのではないでしょうか。
お酒が飲みたいのに妊活のために飲めないといったストレスを抱えるほうがよっぽどよくないと個人的には思います。
お酒好きの方は、お酒を適度に楽しみながら、妊活に取り組んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 研究結果は相反する結果があり、一概に飲酒が悪いとは言えない
- 飲酒をしている私の精液検査結果は先生から高評価をいただいた
- 適度な飲酒はストレスを溜めずに妊活に取り組めるのでプラス
神経質に、お酒を制限する必要はないと思います。
ただし、飲み過ぎは当然よくありませんので、適度な飲酒で妊活中もストレスを溜めずに過ごしていきましょう。