これまでのあらすじは読んでいただけたでしょうか。私たち夫婦の妊活・不妊治療の経緯がわかりますので、まだの方は是非ご一読いただけたら幸いです。
さて、2020年新年を迎え心機一転、私たち夫婦は不妊治療を再開することに決めました。
近所の産婦人科に不信感を覚えた妻と私は、どこか実績があり不妊治療を専門にしているようなところがそう遠くないところに無いか探して行ってみることにしました。
今回の記事は、今まで通っていた産婦人科から隣県の産婦人科に切り替えて初診を受けたことと、その際に受けた精液検査について書いていこうと思います。
転院する産婦人科を探す
私たちが現在住んでいるのは滋賀県彦根市で、ここでは産婦人科は一つのクリニックが独占している状態です。なぜそうなっているのかの経緯は詳しくよくわかりませんが、その弊害は感じつつ仕方なくそのクリニックでの不妊治療を受けていました。
このクリニックに対する妻が感じていた不満点としては、
- 予約制などではなく、産婦人科が他にないため激混みで診察に3時間待ちが当たり前
- 診察のたびに、医師が変わり、治療方針が医師によって異なる
- 治療費が高い気がする(ネットで見る他の病院との比較)というのと、受けてみるまで治療費がはっきりわからない
大きくはこのあたりを妻は言っていましたし、私も感じました。
1つ目の、待ち時間については、どこの病院でもあることかも知れませんが、ただでもストレスのかかる不妊治療で、通院のたびにどのくらい待たされるのかわからず3時間ぐらい待つこともザラというのはかなり負担になります。このクリニックは妊娠した方の診察や分娩なども行う一般的な産婦人科であるため、突発的にお産が入って時間が取られたり、不妊治療が目的の患者からしたら不満点は多いものでした。
2つ目の、医師が変わるというものですが、排卵誘発剤という薬の処方についても医師ごとに言うことが違って、使ったり使わなかったりしました。卵の状態がいいと言っていて、排卵もできているのにとりあえず使っておこうというような感じで、こちらも不信感を持つ一つの要因でした。
3つ目の、治療費は保険の効かなくなる不妊治療で治療費は大きな問題になります。念願かなって子供が生まれた後にも教育費が莫大にかかりますし、少しでも安くなってほしいというのは誰もが思うことだと思います。インターネットによって、どの治療がどのくらいかかるという情報は手に入るようになっているためその情報と比較してみると、かかった費用が他に比べても高いように感じました。ここについては別途データをまとめてみようと思いますが、治療の質も低く感じ、費用も高いと感じ、こちらもかなり不満を感じる点となりました。
この辺の不満を解消するために、別の産婦人科を探してみることにしました。私たちは6度の人工授精を実施しましたがすべて失敗し、そのクリニックでは体外受精に進むことを勧められていました。ただ、やはりそのクリニックへの不信感や、妻のストレスがピークになっていることもあり、一旦本格的な不妊治療は休止しました。しばらくは、自分たち判断のタイミング法での妊娠を目指す方針に戻し、通院することもやめる決断をしました。しかし、やはりそう甘いものではなく通院をやめた2019年5月から2020年1月現在で、何度もトライしていますが妊娠はできていません。
妻の思いは、やはり諦めきれないというもので、病院を変えてトライしたいという気持ちで私もそれに賛同しました。正直なところ妊活を始めてから数年経ってもうまく行かず、諦め半分のところがありました。既に妻の連れ子の子育ては行っており、自分の血を継いだ子供が欲しいという思いはありましたが、子供は既にいるのだしこの子達が育てられればそれでいいのではないかという思いもありました。このあたりは思ったよりも複雑な心境なので、なかなか文字にするのは難しいのですが、最近は諦める気持ちが強くなっていたように思います。
そんな思いがあった中で、2020年、年が明けて、妻がやる気を出して、ここに行ってみたいという産婦人科を見つけてきてくれたので、私も気持ちを切り替えて一緒に行ってみることにしました。
行くことに決めたのは、隣の県の岐阜の高橋産婦人科というところです。
写真は高橋産婦人科のパンフレットのようなもので、初診時にいろいろな不妊治療に関する資料とともにいただきました。
ホームページのトップページに体外受精の実績が2019年8月で体外受精で妊娠出産の実績が2000人以上になったというのが印象的で、とにかく不妊症、不育症の治療に力を入れている医師、クリニックだということがわかる内容でした。私たちが近所のクリニックに対して不満に思っているところも解消されるのではないかと考え、車で1時間半はかかる場所ではありましたが、診察を受ける決意をしました。
産婦人科の初診を予約
高橋産婦人科の予約は妻が電話で行いました。対応もよく、これまでの経緯の話しも受け入れてくれ、遠くから来るということも配慮して予約日や時間を決めてくれました。
最初の診察は2人で行くことを希望していたため、2人とも仕事が休みになる土曜日にしました。車で1時間半くらいかかることを配慮して、時間を決定しました。今まで行っていた滋賀のクリニックが激混みだったことや、岐阜の人気のクリニックだと思っていたので、なかなか予約が取りにくいのではないかと思っていたのですが、意外と簡単に希望した予約が取れたので拍子抜けしました。
予約の電話の際に問診票をホームページからダウンロード、印刷して記入しておくとスムーズに診察に入れると伝えられました。家のプリンターのインクが切れていたので、内容だけチェックして、病院で書くことにしました。
あと、転院ということになるので、これまでの検査結果をすべて持ってきてほしいとも言われました。費用を抑えるためにも必要な検査を吟味するためだとのことです。この時点で、色々と良心的なクリニックだなという印象を受けました。
初診を受ける
診察日当日、余裕を持って予約時間を決めたと行っても午前中のうちに、初めての場所に行くので、急いで支度をし、岐阜へと向かいました。
妻の連れ子である娘2人ももう小学6年生と4年生なので、留守番を頼んで夫婦二人で出かけることも問題なくなってきました。私たちの家庭にとっては不妊治療をしやすくなる材料になっています。不妊治療をしている普通のカップルにとっては子供はいないので夫婦だけで行動できるというのは当たり前と思いますが、小さい子供がいるとなかなか夫婦だけで行動できないので、子供に手がかからなくなってきていて、こういう活動がしやすくなったなと思いました。
途中妻がスマホとこれまでの検査結果を忘れて自宅に戻るというハプニングもありましたが、無事予約時間前にクリニックに到着することができました。
まずは問診票を書いて、診察を待ちます。
診察の番がきました。先生にこれまでの不妊治療の経緯や、妻の妊娠出産経験、どんな検査をしているのかその結果の提示をしました。基本的には妻自身のことになるので妻が説明して、私は横で聞いているという感じでした。
先生の印象は、ぶっきらぼうな感じで少し早口、自分の意志ややり方に自信を持っているという感じがしました。人あたりのいい感じではなく、人によってはとっつきにくいと感じるかも知れないですが、自分の仕事、技術に対して信念を持っている感じで、個人的にはこういう人のほうが信用できると思いました。口だけ達者で中身が無いという人も多いと思うので、口数は少なくても的確に診察を行ってくれているという印象でした。沢山の患者をさばく中で自然とこうなったという気もしますが、特段悪い印象というのはなかったです。
あと、なぜだかよくわからないですが「妻と私の顔が似ている似た者夫婦なんだね」というコメントがありました。私の友達の奥さんにも、家族顔が似てきているねと言われたことがあります。一緒に生活しているとそういう事があるんでしょうかね?
診察は、4,5分で終わったと思います。本日の方針としては、血液検査をふたりとも実施して、私は精液検査をその日のうちに実施、妻は卵管の通水検査を実施することになりました。これで一通りの必要な検査はできるとのことで、この検査結果からどういう不妊治療方針にしていくか決めるのだと思います。
まずは、血液検査のための血液採取を行いました。看護師さんに血液採取してもらうといういつもの健康診断で行うやつと同じでしたが、いつもの健康診断よりはたくさんの血液を採取しました。量が多かったので結構採取に時間がかかりました。注射は苦手というほどでもないので、特に何事もなく終わりました。
病院で精液採取して精液検査
次は精液検査の説明を受けました。
この精液検査については、以前のクリニックでも行っていましたが、家でカップに精液を出して1時間以内にクリニックに持っていって検査に出すというような感じでした。今回はクリニックの小部屋で精液を出して、すぐに検査ということで、ある意味初めての体験となりました。
精液検査の説明は、専用のカップに精液を採取するというもので、専用の小部屋に案内されて、性器と手を洗って、精液を採ってくださいとのことでした。渡されたものは、精液を取るカップと必要事項を記載するシール、タオルでした。仕事とはいえ、こういう説明をする看護師さんも大変だなぁと思いながら部屋に入り準備に取り掛かりました。
こっそり部屋の写真を撮ってみたので、部屋の様子をご参考下さい。
部屋の奥にはシャワーと洗面台があります。
手前にはテレビとDVDプレイヤーとヘッドホン、イスがあります。
テレビ台には、オトナのDVDとオトナの本が置いてありました。
採取した時間を記載する必要があるので、時計も見やすい場所にありました。エアコンもしっかり完備してあり、なかなか快適な部屋なんじゃないかとも思いました。行ったことはないですが個室ビデオのお店をもっとよくしたみたいな感じでしょうか。
言われたとおり、性器を洗うということで下半身裸になり、シャワーで性器を洗い流しました。手も洗って準備をし、ここからは生々しいので詳しくは割愛しますが、なんとも複雑な気持ちの中、精液を採取することに成功しました。ラベルに必要事項を記載して、部屋を片付け、受付に精液を持っていきました。精液を誰かに渡すというのもなんだか妙な気持ちでしたが、これで今日の自分の仕事は終わりという感じでとりあえずホッとしました。
妻の方は卵管の通水検査があり、これがかなりの痛みを伴うようで座薬による痛み止めを施してから実施するようでした。
妊活や不妊治療は女性の痛みが伴うようなものが多く、男側は精液を出して検査するぐらいのことしかなく女性の負担がかなり大きいもので、男側はほとんど何もできないというのが実際です。しかしながら、男性側も当事者意識を持ってパートナーと寄り添い、励まし合うことでいい妊活、不妊治療をすすめることができるのではないかと思います。
妻の方も、通水検査が終わりました。かなり痛かったようです。はじめはそれほどでもなかったようですが、途中から圧をあげていくと痛みが増したそうです。痛みに耐えてよくがんばった。褒めてあげたいと思います。
妻は卵管が細いらしく、通水の圧をあげて卵管が広がると痛みも大きくなるようです。
検査の方は終わり、結果を待つことになりました。
精液検査の結果
結果が出たとのことで結果を聞くために診察室へ入りました。精液採取から検査結果が出るまでそれほど時間もかかりませんでした。
私の精子に対する先生の評価はA,B,C中のA評価、Aを5段階に分けたら、A5を最高としてA2だそうです。評価結果を記載した写真です。
私の精子は高評価で、たまのSEXで妊娠するレベルとのことでした。現時点では私は男性不妊ではないという評価でした。ただ、精子単体の動きは良くても、女性の体液との適合性というのもあるらしく、ごく少数の女性は体内に入った精子を異物と認識して精子の活動を停止させてしまうことがあるそうです。もっと詳しく見るには精子培養検査というものが必要のようです。
ただとりあえずは自分の精子に問題ないことは確認されホッとしています。以前のクリニックでの検査でも精子については問題ないという結果が出ていて今回も問題ない結果が出ました。特に、前の結果よりも奇形率の数値が良かったです。
先生の話では、精子の直線速度の早いものの割合が物足りないということでした。ここが理想的になるとA評価の上の方になるということでした。左のグラフの左の棒の割合に対応する図の赤い精子が大きいほど良いです。赤い精子は直進性の動きのいい精子を表していてこれの割合が増えるといいそうです。
妻の卵管通水の方でも問題は見られず、ちょうど次週に排卵が控えているということも超音波の検査で卵胞の大きさを見て診断されました。まずは、指定された日でのタイミング法で様子を見ることになりました。
次回は、来週の土曜日に血液検査の結果を聞くのと、排卵後の状態を見るため診察を受けに行きます。次の診察からはネットでの診察予約を行いました。
まとめ
今回の記事では、私たちの不妊治療の転院の経緯や理由と、転院したクリニックでの初診について、精液検査のことを書いていきました。
男性は私も含め不妊治療の当事者意識や理解が少ない傾向にあると思います。今回、不妊治療を別のクリニックで再開するにあたり、妻と一緒に診察や検査を受けました。以前の不妊治療時は協力はしましたが、それほど積極的ではなく診察室に入ったこともありませんでした。妻には心細い思いをさせたのかも知れません。
不妊治療に取り組む夫婦の男性には、できるだけ当事者意識を持って奥さんに寄り添って2人で協力して取り組んで欲しいと思います。私もまだまだ不十分なところはありますが、赤ちゃんを授かるゴールに向かって、妻とともに頑張っていきたいと思います。
まとめということで、今回の記事の要点をあげます。
- 転院した岐阜の高橋産婦人科はなかなか良さそう
- クリニックでの精液採取、検査を体験
- 私の精液検査結果は高評価で精子に問題はなかった
- 妻の卵管通水検査でも問題はなかった
まだまだ、不妊治療は始まったばかり、これからどう進めていくのか、医師、妻と相談しながら当事者意識を持って取り組んでいこうと思います。
次回の診察後もレポートしていこうと思います。